Wild Challenger

ハースストーンのことを書きます

1月レジェンド達成 突撃ローグ

 ※注意

本記事は過去最高のスパム構築の記事です。考察はある程度は真面目ですがある程度以上にふざけています。読む際は自己責任でお願いします。

 

【あらすじ】

私、takは疲れていた。

 

1月は大学の定期試験の時期であり、ハースストーンに大量の時間を割くことはできない。従って、今月はランク5で月末報酬で金エピックが手に入る程度で十分。勉強の休憩ついでに軽くやろう程度の気持ちであった。

しかし、今の私は昔の私と違い、休憩程度で軽くプレイするだけでもある程度勝ててしまった。簡単にランク2まで到達してしまったが故に、レジェンドまで行きたいという欲が出てきてしまったのだった。

ここまで順調すぎたが故にそこからの停滞は、試験が近づいてストレスを感じている自分にさらにストレスを与えた。今の環境は私が経験したハースストーン史上、実力ではどうにもならない試合が最も多い。そんな環境が正しいプレイをしているという自己肯定感さえも破壊していった。

 

ラザカスでテンポローグを狩りながら星を増やし、ラザカスミラーで星を増やしたり減らしたりしながら、なんとか最初のレジェチャレンジまでこぎつけたのが22日ごろ。しかし、レジェ底ミルローグにボコされチャレンジ失敗。その後すぐ、またレジェチャレにこぎつけるも、最速ラザDKにボコされ失敗、その後もミルローグ、クエスドルイドなど、レジェ底おもちゃ軍団に延々苛められ続けた。

 

あと一歩、最後の1回を勝ちきることができずにランク1をウロウロしていると、次第に流れを失い、気が付けばランク2の底にまで転落していたのだった・・・

 

 

ラザカスは最強デッキである。これを否定する余地はない。しかし、最強であるラザカスをラダーで回す上で最も苦痛なのはミラーマッチが不毛極まりないということである。うまくドローを回し、相手の甘えたプレイを咎め、自分が相手より山を10枚多く掘る。立ち回りの差で有利な状況を作り出…せるとは限らないのである。

何故なら如何に素早く山を掘っても、自分のボトムにコンボパーツが眠り、相手は自分より早くパーツを揃えてプレイされたら勝てないからだ。 

“ラザとDKを最速で揃えることがもっとも重要なプレイング”

という皮肉めいた表現はもはやただの皮肉ではなく、この環境をこれ以上なく正確に表現したものであった。

 

 

私は相応の理由があって負けるのであれば、素直に負けを認めたいと思っている。 

デッキ選択が弱かった

構築が強くなかった

マリガンを間違えた

プレイングが浅かった 

これらだけで全ての負けが説明できるのであればこれ以上に幸せなことはない。しかし、残念ながらハースストーンもまたカードゲームである以上、これ以外の人間の力ではどうしようもない負けが生じる。 

それは、いわゆるキーカードが引けたかどうかの差だけで試合が決してしまうことである。

ラザカスミラーのパーツ集めはその最たる例だった。

 

とにかく、ストレスを感じて苦しんでいる自分にとっては、最も多いミラーマッチが最も不毛であること、あとは先述のとおり、トップメタであるが故に目の敵にされ、レジェ底という、勝利という概念から実質的に解放されスパムデッキで遊んでいる人間の遊びに付き合わされている屈辱を感じてしまったこともあり、これ以上ラザカスでラダーを回すのは耐えられないという結論に至ったのだった。

 

しかし仮にも現環境最強であるラザカスを使わないとなると、ほかの選択肢をとるのも難しいのもまた現実。ラザカスに敵意むき出しのデッキはデッキパワーが低く、ほかのマッチアップで勝ちきれず、結果的に星を増やせるは言い難い。かといって最も多くマッチングするラザカスに不利をとるデッキを使うこともはもっと愚かである。そんな板挟みの状態であった。

【あらすじ終わり】

 

 

自分の中でテンポローグの評価は決して高いものではなかった。 先に述べたとおり、ラザカスでテンポローグを狩って星を増やしてきたというのもあり、テンポローグでラザカス相手に十分な勝率を出すのは厳しいと感じていたからである。

 

ラザカス対テンポローグの有利不利を決定づけるのは、テンポローグが高い火力を出していけるタイミングがおよそラザカスの強力なAoE群に引っかかるタイミングであるというところが主な原因である。

まあ、都合の良い除去を握られていない場合もそれなりにあるのだが、相手が除去を握っていない試合は何をしても勝てるので考える必要はない。

 

ラザカスの強力なAoE群は6ターン目のドラゴンファイアーポーションから始まる。裏を返せば、5ターン目付近まではローグにとって戦線維持が比較的容易である。

つまり序盤に顔を詰めていくことは強力な勝利プランになりうると考えられる。ハースストーン界の至宝と言われるKolento選手もテンポローグでプリーストと戦う際は序盤のライフプッシュを重視したプレイングをしていたことからも、この考察が大きく的を外れたものではないことは確かだろう。

 

現在主流のテンポローグが5ターンほどで相手に致命的な打撃を与えられる動きというのは、ケレセスの効果で巨大化したミニオンを連打する、船長2枚出して押し込む、巨大エドウィン(まず通らない)のいずれかのルートしかない。まあ運だけ小僧と言われそうな動きである。それゆえにテンポローグはラザカスに不利であるという認識である。

しかし今以上に序盤のカードを増やすのは現状のカードプールが許してくれない。今のテンポローグに採用されているミニオン群が今のローグで採用できる序盤のミニオンの最低限かつ最大限という認識だ。

 

つまり、ローグが今以上に相手のライフを削る速度を高めるには序盤のミニオンではなく、冷血を採用するのが最も自然な選択となる。これは序盤のダメージソースという面と、中盤のAoEで盤面が壊されたあとのバーストダメージ増強という2つの面がある。

冷血は騎士団期にはよく採用されていたのだがコボルト環境では採用率がかなり低い。これはエルフの吟遊楽人の登場が大きく影響していると考えている。このカードの登場によりリソース供給が可能となり、早期決着を目指さないプランもできるようになったことが大きいだろう。そして、コンボを要求するカードの採用数の増加による事故率上昇を避けるという面もある。

 

 

そして、ここからが私の思考のなかで重要なスパムポイントなのだが、対ラザカスではボーンメアというカードが大して強くないと感じていた。ボーンメアは必ずケアされるため、7マナになるタイミングに合わせて盤面をクリアされる。このタイミングの盤面がクリアされないという状況はボーンメアの有無にかかわらず勝ちである。一応、甲板員+ステップを絡めることで盤面をクリアされる状況に対応するという動きもできるのだが、結局それは7マナ4点の動きであり、その返しもおよそ除去されるのがテンプレの流れである。まあこれを除去されない場合もそれはそれで勝ちではあるのだが、それはステップを見ておきながら返せない相手が悪い。

それにボーンメアをプレイするとどう転んでもDKに盤面を壊滅させられるのが苦しい。これを唯一避けられる手段は相手のDKのプレイを見てからボーンメアを使うということになるが、ラザカスはそんな悠長が許される相手ではない。それこそDKになられたが最後、その後のダメージレースにすら負けかねない。

 

結局、勝つときはボーンメアのバリューによる勝利というより、それ以外の面で勝っていることがほとんどなのである。それに、ボーンメアを既に盤面ができていなければ無価値で、かつ相手のDKに対して巨大な隙を与える4点のバフと考えるのであれば、1マナでほぼ同等の火力を生み出せる冷血の大幅劣化という見方もできる。そもそも、冷血とボーンメアを最大枚数、計4枚の採用はどう考えても事故率が馬鹿にならない。どちらが対プリーストで勝率を高められるかと言ったら、それは冷血であるため、ボーンメアは解雇させていただくこととなった。

 

これらの思考のもとではボーンメアより1マナ軽い6マナで同じ4点を出せ、そして冷血ともシナジーするアージェントの司令官は非常に強力なカードに感じられた。司令官はリロイと違って簡単に処理されないのでフィニッシュ以外でも冷血を絡めたバーストに使用しやすいのも評価できる。

  

 

 

ここまではまだ比較的真面目だった。

 

 

しかし、私は疲れていた。

 

どうせ俺の今月のハースストーンは敗北で終わるんだ。滅茶苦茶なことをして終わりでいいやと考えていた。

 

冷血のデメリットである腐りやすさを解消するために突撃ミニオンを増やそう!ケレセス乗ったらウルフライダーもAlways Hufferだしこいつで顔面殴りつけてやろう!サロナイトで戦線維持とか考えても結局AoEで流されるだけだし!!と、サロナイト鉱山の奴隷アウト、ウルフラーダーインという、キチガイな構成をとり始めた。

 

そして完成した突撃ローグがこちら

 

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圧倒的スパム感。明らかなやりすぎである。

 

しかし、このデッキを握り始めてからレジェンドに到達するまでの戦績は13勝5敗と、何故か高勝率であった。

 

戦績一覧(参照:track-o-bot ※過去のデータが混ざっているので手動抜き出し)

対プリ 6-0 (ラザプリ5,ドラプリ1)

対テンポローグ 3-1

対コンウォロ 1-1

対アグパラ 1-0

対ハンター 0-1

対シクレメイジ 0-1

対アグドル 0-1

 

見事対プリースト勝率100%を達成。まあ先に述べたとおり、プリーストに勝つこと以外考えていないのだから勝って当然ではある。

 

以下需要があるか分からない解説

対ラザプリ

とにかく顔。一刻も早くライフを詰める。ドラポに合わせて司令官で顔を殴ると相手はかなり困るらしい。盤面を除去されてからも追加の突撃でフィニッシュ

対コンボドラプリ

巨大化しそうなミニオンを花で食って冷血で顔殴ったら相手が爆発した。こちらは顔を一切守れない構築であり、処理漏らすと一瞬でやられるため有利とは言い難い

対テンポローグ

どうせ花と蟲で盤面取り合って勝ち負けが決するからボーンメアで蓋とかいう時代じゃないので勝った試合は変な構築であることは気にならなかった。ただ、相手のケレセスからのサロナイト鉱山の奴隷が強すぎて負けた。

対コンウォロ

序盤に冷血で特攻仕掛けて通った試合が勝ち、冷血引けなくてヴォイドロード立って抜けなくなったのが負け。わかりやすい。

対アグパラ

レジェ到達の試合。ケレセスステップしたけど動員動員タリムで負けそうになったけど花でタリム抜いてウルフライダー+リロイ+ダガーで14点バーストでフィニッシュ

対ハンター

カニ蟲猟犬使いで終わり

対シクレメイジ

後1マナワームコイン下っ端ルーンから数ターンで顔詰められて終わり

対アグドル

カニカニうごマナで終わり

 

 【総評】

司令官がドラポ耐性を演出しながら顔を詰められるのは思った以上に良かった。

冷血、シャドステがかなり腐りにくかった。突撃マシマシにしたおかげである。

対アグロでウルフライダーが荷物だった(知ってた)。盤面勝ってるときは最強だが負けてる時は最低だった。ウォロ相手にも冒涜の起点にされる可能性があり、盤面次第では出せないしやはり荷物感。

ただ、突撃で相手を吹き飛ばす爽快感は最高だった。

 

 

【追記】ナーフパッチに関して

海賊パッチーズ:ナーフが遅いという指摘は至極そのとおりだが、スタン落ち目前のタイミングのこの時期に重い腰を上げることでワイルドコミュニティを見捨ててはいないぞとアピールしたい鰤の意図も汲み取ってあげたい。

縛鎖のラザ:DKをナーフすると予想していたがラザに矛先が向いたのは意外だった。WoWファンが待望したデスナイトカードをナーフしたくないという思いがあるのかもしれない。何はともあれラザカスのコンセプトが崩壊したのでOK。

回廊漁り蟲:一気にゴミになった。スタッツが死んだことはもちろんだが、パッチーズのナーフで序盤のミニオン同士のぶつかり合いが減少したことでコスト軽減そのものも減るという2重のナーフを受ける形になってしまった。R.I.P

ボーンメア:ラダーでは上記3種に比べて極端に猛威を奮っているわけではないと思う。しかし完全回答になるDKアンドゥインが環境から大きく数を減らすことを考えると今のうちに手を打っておくのは賢い判断だろう。

ウォロに触れていない件について:ウォロは中立に存在する武器破壊とサイレンスが比較的強烈なカウンターになる。ラザカスのように対策不可能な理不尽さは少なく、ナーフが無いこと自体にはそこまで大きな問題はないと感じる。ただ、もし今後大暴れした際に鰤がどう対応するかは気になるところ。

 

総評:今回のナーフはどういう方向にするか難しいナーフだったと思う。鰤が下した判断はラザカスとテンポローグを中心としたアグロへの制裁という方向だった。内容も前回のあまりにも急すぎる各ヒーローそのものに対する制裁と異なり、悪さをしているカード群を綺麗にピックアップして整理するという、全体的にまとまった良い調整であるように感じる。

 

各ヒーローの評価予想

ドルイド:アグロ、クエストは蟲ナーフの影響が重く、翡翠は苦手なウォロが強いことを考えると高い評価はできない。

ハンター:海賊を利用しなくてもある程度速いアグロができ、重コントロール環境ではDKレクサーが存分に仕事ができるので今よりは存在感を出せるだろう。

メイジ:秘策メイジが苦手としていたアグロが軒並み大打撃を受けたので評価は高まる。コントロールはウォロが苦手なので高い評価はできないが無視できない存在。

パラディン:ラザプリに顔を破壊されて強みを生かせなかったDKウーサーがついに本気を出すかもしれない。結構期待している。あとマロパラが苦手としたテンポローグの弱体化により猛威を振るう可能性が高い。

プリースト:ラザカスは死んだがコンボドラプリ、性悪プリが健在である。アンチコントロール、アンチウォーロックの役割は続くだろう。

ローグ:テンポローグは大打撃を受けたが全体的にアグロが減ることでミラクルの仕事は増えるだろう。武器ミルという選択肢もあり、環境で果たす役割は多い。

シャーマン:盤面で勝負する他ないが、ウォーロックAoE群を抜けてなお勝てるほどのパワーを感じない。

ウォーロック:キューブ、コントロールともに強力で、環境の中心となるだろう。

ウォリアー:受けきるには除去が弱く、攻めるには武器が足りない。死人の手札を駆使したリソースバトルも第一使徒リンの存在でウォロに大きく溝を開けられるため厳しい。